古時計・後日談

５０年前から使っていた母の家の古時計、
動かなくなって取り外したと前に書いたが、
先日、母の家を訪ねたら、
仏間の片隅で、しっかり動いていた。

取り外した後、母が、
汚れたまま捨てるのは忍びないと、
きれいに埃を拭って仏壇の脇に立て掛けた所、
知らないうちにまた動き出したのだそうだ。

　：捨てられると思って、慌てて動き出したんだよ。

母が、可笑しそうに言う。
高い所に掛けずに、このまま、
時々ネジを巻いてやることにしたそうだ。

　：このままの方がネジ巻きが楽だわ。

母は、今の状態が気に入っているようである。
先日の日記を読んで、親切な方が、
良い修理屋さんを紹介してくださったりと、
色々ご心配をいただいたが、
しばらくこのまま様子を見守りたいと思う。
メールをくださった皆様には、
この場を借りてお礼を申し上げたい。