古時計、復帰する

２年前の日記に、古時計の事を書いた。
父が亡くなって動かなくなったねじ巻き式の掛け時計を
仏壇の横に置いたら動き出したという話だ。

そのまま、２年ほど調子よく動き続けていたので、
先日、母の家の天井を塗り替えた際に、
試しに元の場所に掛けてみたところ、
問題なく動いているようなので、
また、現役に復帰することになったそうだ。

５０年以上も同じ壁の位置に掛かっていたので、
くっきりと残っていた跡が、
母は、ずっと気になっていたらしく、

　：ネジを巻くのは、ちょっと骨が折れるけどね。

と言いながらも、嬉しそうだ。

孫娘が泊まりに来たときに、うるさいと言われた鐘に、
テープを貼って鳴らないようにしたら、
いつの間にか半分剥がれて、
優しく、ポーンポーンと小さな音で時を知らせている。
その音も、母の気に入ったようだ。

昼の１２時に、母が大好きなメルヘンのサンドイッチを買って訪ねた時も、
優しい音で、律儀に１２回、鐘を打っていた。