おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

父の年金

父が年金を貰いはじめる前の話だから、
今から20年以上前のことである。

几帳面な父は、自分で納めた年金保険料の記録を持って、
担当の役所を訪れた。
しかし、役所に保管されていた記録は、
父の記録とは一致せず、数年分の記録が消えていた。
父は、窓口で食い下がったが、
係員の反応は、自分で証拠を持って来いと、
けんもほろろだった。
父は、昔の勤め先まで訪ねて記録を探したが、
勤め先でも40年も前の記録は残っていなかった。
父は、悔しがったが、
当時はどうにもならなかった。

父が亡くなって5年目の昨年、
年金記録が見直され、
父が探していた年金記録も見つかった。
未支給だった分で、時効になっていない分は、
今年になって母の所に届いた。
そして、時効になっていた分の未支給年金も、
父の七回忌直前に支払われた。

母は、年金の通知書を仏壇に供えて、

 :やっぱり、お父さんが正しかったよ。

と嬉しそうに報告していた。
そして、私たちには、

 :お父さんは、すごいね。
  亡くなってからも、七回忌法要の費用を
  ちゃんと稼いでくれたのよ。

と言って笑った。