無責任
このところ、母の家から帰ろうとすると、
泊っていってくれと懇願されるようになりました。
母の家は、三世帯住宅になっていて、娘夫婦と孫夫婦がそれぞれ暮らしています。
だから、大丈夫でしょと言って帰ろうとすると、
「こんな年寄りを一人にして、あんたは、無責任だね。」
と、叱られてしまいました。
それでも、帰る時には、通りまで出てきてニコニコと手を振って、
曲がり角を曲がって姿が見えなくなるまで見送ってくれます。
昔、祖母が亡くなった時は、突然だったので、
亡くなる一週間ほど前に手を振って別れたのが、
記憶に残る祖母の最後の姿になりました。
母も、年を取ってきたので、毎回、手を振りながら、
これが見納めかもという思いが、よぎります。