おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

左利き

母は、私の左利きを直さなかった。
さいころは、病弱で、それどころではない、という理由で、
学校に通うようになってからは、
習字を習わせるなどして矯正しようとしたが、
絵を描く方が好きだったので、
結果的に、毛筆だけを不器用な右で習い、
習字が下手くそになった。

世に、不便と言われる右利きのためにデザインされている道具も、
左で上手いこと使う術を身に着けた。
高い専用の道具を買わずとも、困ったことは無い。
唯一、左では使いこなせないのが、
注ぎやすく先がとがっている「おたま」だ。
あのおたまを使う時だけは、右手に持ち替える。

中学に入るころには、母も諦めた。

:何でも左で起用にやるね。

と、終いには感心していた。
姉たちも、生まれた時は左利きだったのを
右利きに直されたらしい。
私だけが、頑固に左を使い続けたそうだ。

利き足も違うようで、
体育の時間に、走り高跳びを皆と同じ方から飛んでいたら、
先生に、逆から飛んでみなさいと言われて、
他と逆なことに初めて気が付いた。

ゲーム機のボタンが押しにくいとか、
改札は、体をひねって通過するとか、
細かいことはあるものの、
矯正を諦めてくれた母には、今でも感謝している。