母の誕生日に姉が贈ったものは、花束とホオズキの実でした。
カードが添えてあって、そこに贈り主の名前が書いてあったので、
母は、それを見るたびに、読み上げて嬉しそうにしていました。
もう一人の姉は、夏服を、
私は、新しいトランプのカードを贈ったのですが、
2人とも、プレゼントにカードをつけませんでした。
プレゼントの服を着て、新しいカードで遊ぶ母は、
もう、それがプレゼントだったことを覚えていません。
一方、花束が枯れ、ホオズキがしなびて捨てられても、
姉のカードだけは、いつまでもテーブルの上に置かれ、
毎日、母に感謝されることになったのでした。