母の日記・盆提灯
父が亡くなってから
2度目のお盆が巡ってきた。
母は、訪ねて行った私を待ちかねたように、
:タンスの上に乗せた盆提灯を下ろしてよ。
と、頼んできた。
イスに登って提灯が収められた箱を下ろして、
母と一緒に組み立てた。
桐で作られた提灯の台は、
はめ込み式になっているのだが、
母の力でも、私の力でも、
ぴったりと差し込むことは出来ず、
隙間が空いていた。
生前の父は、こうした隙間があると、
どうしても我慢できず、
何回も押し込もうとしていた。
母も、そんな父の姿を思い出したのか、
:お父さん、我慢しきれなくなって出てくるかもね。
と言いながら笑っていた。
2度目のお盆が巡ってきた。
母は、訪ねて行った私を待ちかねたように、
:タンスの上に乗せた盆提灯を下ろしてよ。
と、頼んできた。
イスに登って提灯が収められた箱を下ろして、
母と一緒に組み立てた。
桐で作られた提灯の台は、
はめ込み式になっているのだが、
母の力でも、私の力でも、
ぴったりと差し込むことは出来ず、
隙間が空いていた。
生前の父は、こうした隙間があると、
どうしても我慢できず、
何回も押し込もうとしていた。
母も、そんな父の姿を思い出したのか、
:お父さん、我慢しきれなくなって出てくるかもね。
と言いながら笑っていた。