スパイダーもどき

その日も、母とトランプのスピードを遊んでいた。

しかし、その日の母は、
違うマークのカードを数字が続くからと重ねていくことに、
どうしても納得しなかった。
それで、母の主張するルールを採用してみたが、
カードを出せるタイミングが極端に少なくなってしまったので、
同じマークの１３枚だけでスピードを遊ぶことにした。

６枚ずつ配ると１枚余るので、
それを中央に出して、
続く数字のカードを重ねて行った。
これならば、母も迷うことは無かったが、
カードが配られた時点で、勝敗が決まってしまうことが多いので、
遊びとしては、いま一つであった。

私が、用事で席を立っている間に、
母が、１人でカードを並べ始めた。
昔、私がよく遊んでいたトランプ占いに似ていたが、
それに母が勝手にアレンジを加えた、スパイダーもどきの遊びだ。

母は、その遊びが気に入ったようで、
晩御飯までの時間をそのカード遊びで過ごした。

カードが古くてボロボロになってきたので、
今度行くときは、家にある綺麗なカードを持って行こうと思った。