プレゼント

先日は、母の８６歳の誕生日だったので、
ケーキとプレゼントを買って、母の家に届けた。

プレゼントは、最近、暑いと言っては、
首に冷たいタオルを巻いている母に、
濡らすだけで冷たくなるというスカーフを買って行った。
吸水ポリマーが縫い込まれていて、
気化熱で涼しくなるらしい。
母は、早速首に巻いて、

　：涼しい、涼しい。

と言って喜んでくれた。

最近の母は、年齢を聞かれると、
わざともうじき９０です、などと言って鯖を読む。
それにしては、お若いですねと言われたいのだ。
８６だと言っても、十分そういわれるくらい若く見えるのだが。

昔の母は、今とは逆で、
４０過ぎても、３５だと言って通していた。

　：３５から年をとらないことにしたから。

というのが常であった。

姉は、今回、奮発して高い服をプレゼントしたそうだが、
母に尋ねると、

　：何かもらったかしらね？

と、すっかり忘れているようであった。