自分史年表

７年前、夫が亡くなったのをきっかけに、
日々の事柄の覚書にと、年表を作った。
家族の生まれた年や趣味を始めた年、電化製品を買い換えた年など、
内容は、ごくごく個人的なことだ。
他に、大きな事件があった年はそのことも書き、
夫は野茂投手のファンだったので、
ノーヒットノーランを達成した年や引退の年なども書き込んだ。

還暦が近くなって、自分でも記憶が曖昧なことが多くなり、
その覚書が役立つことが増えてきた。
久しぶりに見てみたら、父や母に関することも書いてあったので、
母の所に遊びに行った時に、母にも見せてみたところ、
母も面白がって、話が弾んだので、
母の年表も作ってみた。

父と母の生まれた年から結婚した年、
姉たちの生まれた年、孫の生まれた年、曾孫の生まれた年、
親戚の亡くなった年、と順に書き込んでいったら、
横で見ていた母が、

　：死んだ人ばかりだね。

と言った。
そんな年表では寂しいので、
姉にも思いつくことを書き込んでもらった。

　：家を建てた年も書いたら？

と、姉が言った。

　：隣が火事になった日はいつだっけ？

なかなか思い出せないことも多かった。
もう１人の姉にもメールで依頼した。

　：京都旅行のことを書き込んでおくね。

と、返事が来た。
母の年表は、楽しい思い出で埋めてあげたいと思った。