伯母との思い出
数ヶ月前のこと、
母が伯母の家に遊びに行くと、
伯母がお札の束を見せて
:このお金、何処に隠したらいいと思う?
と聞いたのだそうだ。
母は、
:私に決められるわけ無いじゃない。
と言って、札束を持ってウロウロする伯母を残し、
そのまま帰ってきた。
母は、その後も何度か伯母の家に行ったが、
その後、お互いにそんな話は忘れてしまっていた。
最後になった日も、母は、伯母の家の前を通った。
しかし、伯母の家のカギを持たずに行って、
中に入れずに帰ってきた。
耳が遠い伯母は、
いくら玄関の呼び鈴を押しても気付かないから、
母は、諦めてしまった。
伯母が亡くなったのは、その二日後だった。
母は、体調が悪いと言って、
通夜にも葬式にも行かなかった。
:亡くなったと知った時より、
後から来る寂しさのほうが大きいね。
と、母は最近になって言う。
今でも、散歩で時折、伯母の家の前を通ると、
:あの時のお金、誰かが見つけたのかな。
と話す母。
札束の金額は、母の記憶の中で、
2千万になったり2万円になったりしている。
本当の所は誰にもわからない。
母が伯母の家に遊びに行くと、
伯母がお札の束を見せて
:このお金、何処に隠したらいいと思う?
と聞いたのだそうだ。
母は、
:私に決められるわけ無いじゃない。
と言って、札束を持ってウロウロする伯母を残し、
そのまま帰ってきた。
母は、その後も何度か伯母の家に行ったが、
その後、お互いにそんな話は忘れてしまっていた。
最後になった日も、母は、伯母の家の前を通った。
しかし、伯母の家のカギを持たずに行って、
中に入れずに帰ってきた。
耳が遠い伯母は、
いくら玄関の呼び鈴を押しても気付かないから、
母は、諦めてしまった。
伯母が亡くなったのは、その二日後だった。
母は、体調が悪いと言って、
通夜にも葬式にも行かなかった。
:亡くなったと知った時より、
後から来る寂しさのほうが大きいね。
と、母は最近になって言う。
今でも、散歩で時折、伯母の家の前を通ると、
:あの時のお金、誰かが見つけたのかな。
と話す母。
札束の金額は、母の記憶の中で、
2千万になったり2万円になったりしている。
本当の所は誰にもわからない。