薬袋

母が薬を失くしてしまうようになったので、
カレンダーの下にポケット付きの万年カレンダーを取り付けて、
１日分ずつ小さな袋に入れておいた。

　：これなら解りやすいわね。

と、母も喜んだ。

しかし、数日経って再び訪れると、
万年カレンダーは、撤去されて、押入れの中にあった。
どうしてそうなったのか、母に問うと、
取り付け方が悪くて、外れてしまったということだった。
安直に、ガムテープで元々のカレンダーの下に貼り付けたのがいけなかったようだ。

万年カレンダーの方に長めの紐をつけて、
カレンダーの後ろに吊るして、
ちょうど下側に配置されるように調整した。
落ちることもなくなり、母も一安心だった。

透明ポケットに数日分を追加して帰宅した。
薬の数が４種類なので、１日分の管理は母が自分でできる。
夫の父の薬を管理していた頃は、
数が１１種類と多く、飲み方も複雑だったので、
毎日、朝昼晩に分類していた。
同居していなければ、どうにもならなかった。

また数日後、カレンダーの下のポケットは、
すっかり定着したようだった。