おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

はずまぬ会話

母の家に伯母が遊びに来た日のこと。

事前の電話では、

 :借りた服をクリーニングに出したいから、一緒に行って。

と言う話だったのだが、
伯母が、持ってきた服を見たら、
洗濯してアイロンもかけてあったので、
クリーニングに行く必要は無いのではという話になって、
伯母も、それで納得した。

伯母も、母も、耳が遠く、
ここまでの相談に、通訳の私を挟んで小一時間。
やっと話が通じて、

 :あー、疲れた。

と、一服した伯母が、

 :私、何しにここに来たんだっけ?

と、言い出し、
クリーニングに行くはずだったけど、必要が無くなったことを
最初のいきさつから順を追って再度説明した。

 :そうか、わかった。

と納得した直後に、

 :で、私は何しにここに来たんだって?

と、振り出しにもどる。
3回目までは、繰り返したが、
4回目以降は、
何も用事は無いよと、説明を省いた。

伯母は、地声が大きいので、
母は、伯母の声を聞き取れるが、
母は、大声で話すのが苦手なので、
伯母は、母の声を聞き取ることが出来ない。
私も、大声を出している訳ではないが、
声の出し方によって、聞き取れる高さがあるようで、
大声を出さなくても、伯母と話すことが出来る。

伯母と母、二人だけだと、
伯母は、何も聞き取れずにイライラし、
母は、話したことが何も伝わらずにイライラする。
伯母が補聴器をつければ解決するのだが、
先日、部屋の何処かに置き忘れて、
それ以来、まだ、見つかっていない。
私も、探すのを手伝ったが、見つけ出すことはできなかった。

 :私は何処に行くんだっけ?

伯母が、もう一度聞いた。
説明に疲れた母が、大声で、

 :家に帰るだけよ。

と、言うと、

 :じゃあ、帰るわ。さいなら。

と、席を立って出て行く。
ハンドバッグを忘れていたので、
慌てて後を追いかけた。