おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

身辺整理

最近の母は、「死に片付け」と称して、
身の周りの不用品を処分している。
中には、思い出の品などもあるのだが、

 :あなたたちに面倒なことをさせたくないわ

と言って、どんどん捨ててしまう。

以前、私が義父を引き取ることになった時、
義父がそれまで暮らしていた家を整理するのに、
業者に依頼して、16万かかったというのを知っていて、
母は、気にしているようだ。
母の家は、元々きちんと整理されているので、
ゴミ屋敷とは違うのだから、
そんな心配は、いらないと思うのだが。

そうした心配とは別に、
若い頃、父から貰ったラブレターを
死んだ後で娘たちに読まれるのが恥ずかしいけれど、
捨てるわけにもいかず、
仏壇の奥に隠してあるのだと、
こっそり打ち明けてくれたりもする。
お互いに未亡人という意識が働くのか、
母は、亡くなった父との思い出を
最近、私に、よく話すようになった。

最初にデートに誘ったのは、母からだったとか、
相模湖の湖畔でプロポーズされたとか、
子供の頃は、聞けなかった話ばかりだ。

思い出話の後、急に真顔になって、

 :私には、もうそんなに時間が無いと思う。

と、真剣に語る母に、
私は、なんと言って良いのか、
咄嗟に言葉が浮かばなかった。
姉なら、ケラケラと笑いながら、

 :そんなことを言う人に限って長生きする。

と、言ったことだろう。