おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

思い出の欠片

母は、写真をアルバムに貼らない。
私が小さかった頃は、
こまめにアルバムに貼り付けていたが、
いつしか止めてしまった。

だから、最近の旅行の写真は、
バラバラのまま居間のテーブルに乗っている。
アルバムに張れば良いのにと母に言うと、

 :アルバムに貼ると取り出すのが面倒になるから。

と言う。
母は、古いアルバムをみんな天袋の奥にしまっているので、
取り出すのが一苦労だというのだ。
見易い場所に仕舞えばよいのにと思うのだが、
大きなアルバムをめくるだけでも、
腕が疲れるとか理由をつけて、
結局、整理しない。

写真屋でくれる小さなアルバムに入れればと提案しても、

 :あれも何だか貧乏くさいわ。

と、文句の多い母である。

京都旅行が好きな母は、
バラバラになった旅行の写真を眺めながら、

 :こっちは一昨年、こっちは3年前。

などと言って説明してくれる。
だが、だんだん記憶があいまいになって、

 :これは何処だったかねえ?

と、首を傾げることも増えた。
せめて写真の裏にメモぐらいしておけばと勧めても、

 :そうねえ。

というだけで、結局、何もしない母である。

わからない写真は、
一緒に写っている人の顔ぶれや、
その当時、自分が着ている服で、
年代を推理しながら記憶に当てはめていく母を見ていて、
最近では、これも母流の
惚け防止の一環なのかなと思うようになった。