おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

母の日記・やすべー

私がまだ小さかった頃の話。
幼稚園からの帰り道で、大きな犬に追いかけられたことがあった。
家の中に逃げ込んだのだが、扉が完全には閉まっていなかったせいか、
その犬は、部屋の中まで追ってきた。
居間のソファーの後ろにある飾り棚によじ登って泣き叫んでいるところを
駆けつけた飼い主と、母によって救われた。

その後、すっかり犬恐怖症になってしまった私だったが、
小学校に上がった頃、夏休みを母方の祖父母の家で過ごした時、
1匹の犬と出会った。

初めは、ご飯時になるとやってきておかずをねだっていくので、
野良犬かと思っていたが、
何度も遊ぶうちに、近くにあるお屋敷で飼われている犬だとわかった。
名前がわからなかったので、従兄弟が勝手に命名したのが
やすべー という名前だった。
やすべーは、私に、動物に触れた時の背中の暖かさを教えてくれた。
大好きな友達だった。
やすべーの家がわかってからは、
お屋敷の門の前を通る時、よくその名前を呼んだ。

母が東京からやってきた時、
母と一緒に田舎道を歩きながら、
お屋敷の門の前にさしかかると、
いつものように、やすべーを呼んだ。
すると母は、びっくりして、

 :いけません!!

と、無理矢理私の手を引いて、そこを離れた。

後で知ったのだが、
やすべえ という名前は、その屋敷の当主の名前で、
その家で代々受け継いできた由緒正しい名前だったのだ。


nintendogsで、私が
この思い出深い名前を自分の子犬に付けた時、
母も、この話を覚えていることを期待したのだが、
すっかり忘れてしまったようで、ただ、

 :田舎臭い名前付けたのねえ。

と、言っただけだった。