母の日記・ジロウ

母は、新之助を飼い始めるまでは、よく私のDSで私の子犬たちと遊んでいた。
初めて母の所にnintendogsを持って行ったのは、発売日の翌日だった。
通信をオンにして、２時間ぐらいかけてゆっくりと買い物をして、
母の所に着いて初めてDSに余所の子犬が来ていることに気づいた。
私の茶色い柴犬と余所から来たビーグルが、画面の中で遊ぶ姿を見て、

　：どっちがあんたの犬なの？
　　可愛いねえ！！

と、夢中で画面を覗き込んでいた。

余所から来た子犬がいなくなってしまってからも、
私が、子犬に、覚えたての　おすわり　をさせるのを
目を細めてみていた。
柴犬の　ジロウ　は、その日、母の求めるままに、
何回も　おすわりをやり、

　：ジロウは、賢いねえ。

と、母を痛く感動させたのであった。

今度来る時までに　おて　を覚えさせておく　と言うと、

　：あんたのことだから、今度来る時には犬が２匹になってると思うわ。

母が、そう予言した。
まさかと、その時は思っていたが、
４日後、母の元を訪れた私のDSには、
すでに、２匹目の子犬、シェルティーの　らっしー　が、いたのだった。