大戦の記憶 その4
戦争体験を語らなくなった母に代わって覚書として記す。
戦後の食糧難では、祖父が作った畑が一層役だった。
カボチャをたくさん作って近所にもおすそ分けした。
ヤギの乳もあげると喜ばれた。
それでも、カボチャばかりではと、
母は、母の姉と二人で汽車に乗り買い出しに行った。
郊外の農家に行き、着物を芋などと交換してもらった。
帰りには、背負ったリュックがずっしりと肩に食い込み、
家に帰ってからも、夕食に並んだ芋を食べながら、
「重たいよ~ 重たいよ~」
と、言っていたのだそうだ。
母が住む町にも進駐軍がやってきた。
子供たちが、口々に、
「ギブミー チョコレート!」
と言って群がっていた一方で、
母のような若い娘は、進駐軍の兵士を見たら隠れろと言い含められていた。
線路の向こう側に出来た洋風の総菜を売る店に買い物に行った時、
出会った進駐軍の兵隊に声をかけられた。
道を尋ねられただけだったようだが、
母は、怖くなり、走って逃げたと言っていた。
その惣菜店は、30年ほど前に店じまいしたが、
私も子供の頃、よく買い物に行かされた。
コロッケとマカロニサラダが絶品だったと記憶している。
戦後の食糧難では、祖父が作った畑が一層役だった。
カボチャをたくさん作って近所にもおすそ分けした。
ヤギの乳もあげると喜ばれた。
それでも、カボチャばかりではと、
母は、母の姉と二人で汽車に乗り買い出しに行った。
郊外の農家に行き、着物を芋などと交換してもらった。
帰りには、背負ったリュックがずっしりと肩に食い込み、
家に帰ってからも、夕食に並んだ芋を食べながら、
「重たいよ~ 重たいよ~」
と、言っていたのだそうだ。
母が住む町にも進駐軍がやってきた。
子供たちが、口々に、
「ギブミー チョコレート!」
と言って群がっていた一方で、
母のような若い娘は、進駐軍の兵士を見たら隠れろと言い含められていた。
線路の向こう側に出来た洋風の総菜を売る店に買い物に行った時、
出会った進駐軍の兵隊に声をかけられた。
道を尋ねられただけだったようだが、
母は、怖くなり、走って逃げたと言っていた。
その惣菜店は、30年ほど前に店じまいしたが、
私も子供の頃、よく買い物に行かされた。
コロッケとマカロニサラダが絶品だったと記憶している。