母の煮豆
先日、83歳の誕生日を迎えた母。
だいぶ耳も遠くなり、
とんちんかんなやり取りは増えたが、
元気に過ごしている。
下の姉の家族の食事の世話を
定年を迎えた姉の夫がするようになった途端、
自分の食事を作ることが面倒になったと言って、
有り合わせのものばかりで済ませていたら、
見かねた上の姉が、夕食を届けるようになった。
それでも、私が母の家を訪ねた日は、
お土産に持って帰らせようと、
煮豆や南瓜の煮物を作ってくれる。
手伝って一緒に作ると、
隠し味やら何やらで、未だに母に学ぶ所が多い。
私の夫が存命中に、
「お母さんの煮豆の作り方を教わっておけ」
と、よく言っていた。
レシピは、私がネットで見つけたものだからと、
取り合わなかったのだが、
母なりに、その後、色々と工夫して、
今では、完全に別のレシピになっているようだ。
豆の量も砂糖の量も、完全に目分量で、
味見もせずに、毎回同じ味に煮上げる。
しかし、先日、母が煮た豆を味見したら、
味付けを忘れていて、
外出した母に代わって私が味付けをした。
母が気付かなければ、そのまま黙っていようと思ったが、
やはり、母の味は出せなくて、
すぐにバレてしまったのだった。
:味付けを忘れるなんて、ボケたね。
母は、笑いながら言ったが、
それ以来、したことが無かった味見を
必ずするようになったようだ。
だいぶ耳も遠くなり、
とんちんかんなやり取りは増えたが、
元気に過ごしている。
下の姉の家族の食事の世話を
定年を迎えた姉の夫がするようになった途端、
自分の食事を作ることが面倒になったと言って、
有り合わせのものばかりで済ませていたら、
見かねた上の姉が、夕食を届けるようになった。
それでも、私が母の家を訪ねた日は、
お土産に持って帰らせようと、
煮豆や南瓜の煮物を作ってくれる。
手伝って一緒に作ると、
隠し味やら何やらで、未だに母に学ぶ所が多い。
私の夫が存命中に、
「お母さんの煮豆の作り方を教わっておけ」
と、よく言っていた。
レシピは、私がネットで見つけたものだからと、
取り合わなかったのだが、
母なりに、その後、色々と工夫して、
今では、完全に別のレシピになっているようだ。
豆の量も砂糖の量も、完全に目分量で、
味見もせずに、毎回同じ味に煮上げる。
しかし、先日、母が煮た豆を味見したら、
味付けを忘れていて、
外出した母に代わって私が味付けをした。
母が気付かなければ、そのまま黙っていようと思ったが、
やはり、母の味は出せなくて、
すぐにバレてしまったのだった。
:味付けを忘れるなんて、ボケたね。
母は、笑いながら言ったが、
それ以来、したことが無かった味見を
必ずするようになったようだ。