散歩
母と散歩に出かけた。
寒い季節になってきたので、
早朝の散歩をやめた母に付き添って、
昼過ぎの散歩に行った。
散歩コースは、
早朝と同じ、家の前の道を突き当りまで歩いて戻る予定だったが、
朝とは日差しの向きが違っていて、
日陰ばかりで寒いというので、
コースを変更して、途中の角を曲がってみた。
その道は、私の小学生時代の通学路だった。
母と歩くのは、実に数十年ぶりだ。
様変わりした町並みの中に、
昔から変わらない建物を見つけて、
二人で懐かしんだりしながら歩いた。
途中、伯母の家の前を通ったので、
:ちょっと寄っていこうか。
と、呼び鈴を鳴らした。
伯母は、耳が遠いので、
大きな音のするブザーが何度も鳴り響いた。
漸く気がついた伯母に、ドアを開けてもらい、
ひとしきり、伯母の愚痴を聞いて帰宅した。
帰り道は、玄関前に佇む伯母に、
何度も振り返って手を振りながら歩いた。
母は、
:切りが無いから、貴女お願いね。
と言って、振り返らず、すたすたと歩き続けた。
80を過ぎた今も、腰が曲がっていないので、
20歳は若く見られると、母本人は言っているが、
こうして一緒に歩いてみると、
あながち冗談でも無いようだった。
寒い季節になってきたので、
早朝の散歩をやめた母に付き添って、
昼過ぎの散歩に行った。
散歩コースは、
早朝と同じ、家の前の道を突き当りまで歩いて戻る予定だったが、
朝とは日差しの向きが違っていて、
日陰ばかりで寒いというので、
コースを変更して、途中の角を曲がってみた。
その道は、私の小学生時代の通学路だった。
母と歩くのは、実に数十年ぶりだ。
様変わりした町並みの中に、
昔から変わらない建物を見つけて、
二人で懐かしんだりしながら歩いた。
途中、伯母の家の前を通ったので、
:ちょっと寄っていこうか。
と、呼び鈴を鳴らした。
伯母は、耳が遠いので、
大きな音のするブザーが何度も鳴り響いた。
漸く気がついた伯母に、ドアを開けてもらい、
ひとしきり、伯母の愚痴を聞いて帰宅した。
帰り道は、玄関前に佇む伯母に、
何度も振り返って手を振りながら歩いた。
母は、
:切りが無いから、貴女お願いね。
と言って、振り返らず、すたすたと歩き続けた。
80を過ぎた今も、腰が曲がっていないので、
20歳は若く見られると、母本人は言っているが、
こうして一緒に歩いてみると、
あながち冗談でも無いようだった。