子犬カレンダー

母は、昨年の暮に、
かかりつけの病院でもらったカレンダーを
トイレの壁にかけている。

毎月、可愛い子犬の写真を眺めて、
結構気に入った様だったが、
５月になって様子が変わった。
５月の子犬が母の趣味に合わなかったようだ。

　：あの犬を１ヶ月も眺めるのは気が滅入る。

とまで言うようになったので、
写真だけ別のに変えたらと勧めたら、
早速、実行に移したようで、
次に見たときには、
写真だけ１月の子犬に変わっていた。
冊子のようにページをめくるタイプのカレンダーだったから、
途中のページを破いたらしかった。
１月の子犬は、小さな柴犬で、
見上げるようにこちらを見つめていた。

５月の子犬は、チワワだったが、
写真写りがいまひとつだったのが、
母の気に入らなかった理由らしかった。

母が破いたカレンダーを眺めていて、
６月が気になったので、めくって見たら、
破れたページがどさどさと落ちてきた。
母が綴じ目から破いたので、
カレンダーがバラバラになってしまっていたのだ。
全部拾ってそっと元通りにして吊るしておいた。

６月の子犬はパグだった。
今の柴犬が気に入っているようなので、
写真はそのままになる気がする。