母、漫画を読む
母は、漫画を読まない。
新聞に載っている4コマ漫画をたまに眺めるくらいである。
幼稚園児だった頃の私に「鉄腕アトム」を買ってくれた母だが、
自分では、全く読むことは無かった。
高校生になった私が、漫画家を目指すと言って、
毎日、漫画ばかり描いていた頃、
:どんなものなの?
と、珍しく興味を示したので、
その頃ちょうど雑誌連載が始まった
ちばてつやの「おれは鉄兵」第1回を見せた。
母は、私の目の前で、それを音読し、
聞いている自分の方が、
ひどく恥ずかしかったのを覚えている。
:理解できないわ。
と、一言残して、
以後、母が漫画を読むことは無かった。
私のチョイスも良くなかったようだ。
そんな母が、最近、漫画を読んだ。
姉が持って来た「日本人の知らない日本語」の漫画を
病院の待合室で、時間潰しに読んだのだそうだ。
人前で漫画を読むのは恥ずかしいと思っている母は、
読みながら、知り合いに会うと、
:この漫画はとても勉強になるんですよ。
などと、要らぬ言い訳をしていたらしい。
先日、私にも、
:この本、漫画だけど面白いわよ。
と、勧めてくれたので、
その場で、ざっと読んでいたら、
:そんなに早く読めるの!
と、驚いていた。
:細かい字は、目が疲れて。
近頃、本を読まなくなった母に、
これをきっかけに新しい楽しみが増えれば良いと思った。
新聞に載っている4コマ漫画をたまに眺めるくらいである。
幼稚園児だった頃の私に「鉄腕アトム」を買ってくれた母だが、
自分では、全く読むことは無かった。
高校生になった私が、漫画家を目指すと言って、
毎日、漫画ばかり描いていた頃、
:どんなものなの?
と、珍しく興味を示したので、
その頃ちょうど雑誌連載が始まった
ちばてつやの「おれは鉄兵」第1回を見せた。
母は、私の目の前で、それを音読し、
聞いている自分の方が、
ひどく恥ずかしかったのを覚えている。
:理解できないわ。
と、一言残して、
以後、母が漫画を読むことは無かった。
私のチョイスも良くなかったようだ。
そんな母が、最近、漫画を読んだ。
姉が持って来た「日本人の知らない日本語」の漫画を
病院の待合室で、時間潰しに読んだのだそうだ。
人前で漫画を読むのは恥ずかしいと思っている母は、
読みながら、知り合いに会うと、
:この漫画はとても勉強になるんですよ。
などと、要らぬ言い訳をしていたらしい。
先日、私にも、
:この本、漫画だけど面白いわよ。
と、勧めてくれたので、
その場で、ざっと読んでいたら、
:そんなに早く読めるの!
と、驚いていた。
:細かい字は、目が疲れて。
近頃、本を読まなくなった母に、
これをきっかけに新しい楽しみが増えれば良いと思った。