母の喜寿
少し早めだったが、母の喜寿祝いをした。
懐石料理店の一室を予約して、
皆で食事をするだけのささやかな会であったが。
母は、店の人が用意してくれた
紫のちゃんちゃんこを
頑として着ようとはしなかった。
母曰く、
:後でみんなが見て笑うような写真は残したくないわよ。
ということだった。
そういえば、母は、先日、
同じ店で還暦祝いをした義理の息子の赤いちゃんちゃんこ姿の写真を
大笑いしながら眺めたばかりだった。
母は、この日のために買ったという涼しげなアンサンブルと、
黒いレースのジャケットに身を包み、
上機嫌で記念写真に納まっていた。
お祝いの懐石料理に関しては、
:もったいぶって1個ずつ運んでくるほどの料理じゃないわね。
と、いつもの毒舌口調で語った母であった。
懐石料理店の一室を予約して、
皆で食事をするだけのささやかな会であったが。
母は、店の人が用意してくれた
紫のちゃんちゃんこを
頑として着ようとはしなかった。
母曰く、
:後でみんなが見て笑うような写真は残したくないわよ。
ということだった。
そういえば、母は、先日、
同じ店で還暦祝いをした義理の息子の赤いちゃんちゃんこ姿の写真を
大笑いしながら眺めたばかりだった。
母は、この日のために買ったという涼しげなアンサンブルと、
黒いレースのジャケットに身を包み、
上機嫌で記念写真に納まっていた。
お祝いの懐石料理に関しては、
:もったいぶって1個ずつ運んでくるほどの料理じゃないわね。
と、いつもの毒舌口調で語った母であった。