姉夫婦に誘われて、
日光へ一泊旅行に行くことになった母は、
出発の前日、原因不明の腰痛に見舞われた。
居間のテレビの前に布団を敷き、
横になりながら、「
細菌撲滅」で遊んでいた。
夕方になり、血圧でも測ってみようかと起きだした。
血圧が上がっているのに驚いた母は、
自分にこう言い聞かせた。
:こんなことじゃダメよ!明日は絶対行くんだからね!
声に出してそう言いながら、ふと気づくと、
腰の痛みは嘘のように消えていた。
:血圧が気になりだしたら、他の方は治っちゃったよ。
病は気からというものの、
母の場合は、いつも極端である。