母の日記・畳替え

母の家に行ったら、家具の位置が変わっていた。

　：畳屋さんが来るから、朝から動かしたのよ。

と、母が言う。
そういうのは、畳屋さんの仕事だと思うのだが、
また母は、自分でやっていたらしい。
家中の畳をすぐに持ち出せるように準備したのに、
畳屋さんが、半分しか持って行かなかったのも、
どっと疲れた理由の１つらしかった。

　：くたびれた～。今朝は、新之助の”体操”もまだだわ。

と、居間の椅子に座り込んだ。
母は、アジリティーのことを、体操と呼んでいる。
なんでも、新之助を永久運動させる方法を見つけたらしく、
体育館では、ほとんど指示を出さないらしいが、
そういうところは、横着な母である。

私は、新之助の様子を見ようと、
戸棚の上のDSに手を伸ばしたが、
ちょうどその時、玄関が開いて母の曾孫が飛び込んできたので、
急いで伸ばした手を引っ込めたのだった。