母の日記・風邪

母が、風邪気味だと言い出してからずいぶん経つ。
なかなか治らないので、医者で薬を貰って飲んだら、
薬の副作用で、すごい便秘になってしまったらしい。
私が遊びに行っても、いっこうにトイレから出る気配がない。

連日の医者通いで、新之助の面倒を見る暇がないというので、
餌をあげて、シャンプーとブラシがけをしてあげた。
私が声を掛けても新之助は何も芸をしないので、
代わりに、これでもかというくらい撫でておいた。
撫でられた時の反応がうちの犬たちとは少し違う。
これは、育て方の違いなのか、それとも個性なのか。

すっかり憔悴しきった顔でトイレから出てきた母の第一声は、

　：でも、私37歳だからね。

だった。どうやら、脳年齢の記録をまた更新したらしい。
風邪で声が出せないモードにしたのが、
今回の記録更新のきっかけだったようだ。
体調が悪くて新之助の世話は出来なくても、
脳年齢チェックだけは欠かさない母であった。