母の日記・おあずけ？

その日の朝、母はいつものように
新之助にドライフードを食べさせていた。
いつもなら、食べ終わった新之助が
大きくのびをするのを確認してから器をしまうのだが、
その日に限って、よく見ずにかたづけてしまった。
まだ、餌を食べている最中だった新之助は、
突然消えた餌の器を探して右往左往している。
母は、

　：おもしろーい！

と、１人で大笑いしていた。
新之助はまだ満腹になっていなかったが、母は、

　：ここでもう一度餌を出しても、
　　どうせ粗末な食べ方しかしないから。

と言って、代わりに満腹になるまで
ビスケットやジャーキーをあげたのだそうだ。

　：食べている途中で餌を引っ込めると面白いから
　　あんたもやってごらん。

とは、母の弁である。

うちの犬たちで試してみたが、
うちのは餌が無くなっても動揺ひとつ見せず、
２匹でゴロゴロしていた。
図太い性格は、飼い主に似たのかもしれない。