母の日記・目標

私が小さかった頃から、母は、
色々な場面でわたしたち姉妹の前に立ちふさがっていた。
こう言うと、誤解を受けるかも知れない。
母が、立ちふさがっていたのは、
家族で興じたバトミントンや、卓球や、
お正月のはねつきの時である。

母は、負けず嫌いである。
子供にわざと負けてやるなどということは
一切無かった。
いつもコテンパンに打ち負かす。
そういう人だった。
子供が大きくなり、孫が出来ても
母は、変わらなかった。
孫達にとっても、母は倒すべき壁であった。
体力で敵わなくなると、母は、
将棋やパズルなどを持ち出してきて、
とにかく勝ち続けた。

ニンテンドーDSでゲームをやるようになった今、
母の目標は、私の記録を抜くことらしい。

　：とても無理よ。

と、口では言っているが、
「やわらかあたま塾」では、
私の2段という記録に迫りつつある。

　：最近全然やっていないのよ。

と言いながら、いつもDSに
「やわらかあたま塾」がささっているのは、
密かにやりこんで、私が油断している間に
記録を抜いてやろうという
母の作戦なのではないかと思えてならない。