おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

ファミリーコンピューター

我が家にこのゲーム機が来たのは、30年以上前のことだ。

その少し前、幼稚園児だった甥っ子が、親にしきりとこのゲーム機をねだっていた。
親には、「そんな高いものはダメです」と言われて、
それならばと、矛先をおばあちゃんである私の母に向けた。

母は、剣道教室に通い始めたばかりの孫に、
「次の剣道大会で優勝したらね」と、言った。
剣道初心者の甥は、一計を案じ、
剣道二段のおじいちゃん、私の父に優勝のための必殺技を授けてもらった。
相手が打ち込んでくる瞬間を捉えた小手である。

その小手だけで、甥は、剣道大会に優勝し、
私の母にファミコンを買ってもらったのだった。
観戦に行った父に、剣道教室の先生が、
「あの小手は、おじいさまのお仕込みですね。」と言った。
小手以外は全然だったので、すぐにわかったのだそうだ。

そのころ「スーパーマリオブラザース」はどこのおもちゃ屋でも売り切れだったが、
ようやく見つけて、さあ、遊ぼうという段になって、
母親から、「遊ぶのはおばあちゃんの家に行った時だけです」と言われて、
大いにショックを受けていた。
ファミコンは、母の家に置かれ、厳しい監視の中で、1日1時間を守らされていた。

そんな様子をはたで見ていて、こっそり練習して甥を驚かしてやろうと、
我が家でもファミコンを買うことにした。
我が家にファミコンがあることを知った甥は、
平日はおばあちゃんの家で、休日は我が家で、ゲーム三昧の日々を過ごした。
散々遊んで家に帰る甥を送っていく道すがら、
スーパーマリオの真似をしてぴょんぴょんとジャンプしていた姿を忘れない。

そんな彼も、結婚し、今は一児の父である。