数え年
夫が存命中は、誕生日を家族で過ごしたものだが、
今年は、自分で自分の誕生日ケーキを買って、
母の家に持って行き、
半ば強制的に、母に祝ってもらうことにした。
:あら、可愛いケーキねえ。
と、母は目を細めたが、
私の誕生日とは気付いてない様子だった。
ケーキと一緒に買って行った寿司を食べ、
ケーキはおやつに食べようねと言って、
先に町内を一回り、母と散歩した。
家では、すり足でそろそろと歩く母だが、
一歩外に出ると、背筋をピンと伸ばし、颯爽と歩く。
とても80を過ぎた老人には見えない。
何歳になったのかと母に問うと、
:西暦でいうと1300年生まれだから
と、言いかけて、間違いに気付いた母は、
:1300年生まれじゃ、オバケだわね。
と言いながら、ケラケラと笑った。
:数えで84歳だわ。年をとったねえ。
と言う母に、
誕生日が来ていないから満82歳だよと返した。
生まれた年を1歳とする数え年を日常的に使う母。
お正月には、よく私も、
:おめでとう、今年で〇歳だね。
と言われて育った。
散歩から戻って、母とケーキを食べた。
私の誕生日を覚えているかと問うと、
:〇月〇日でしょ。
母が言った日付は、姉の誕生日であった。
今年は、自分で自分の誕生日ケーキを買って、
母の家に持って行き、
半ば強制的に、母に祝ってもらうことにした。
:あら、可愛いケーキねえ。
と、母は目を細めたが、
私の誕生日とは気付いてない様子だった。
ケーキと一緒に買って行った寿司を食べ、
ケーキはおやつに食べようねと言って、
先に町内を一回り、母と散歩した。
家では、すり足でそろそろと歩く母だが、
一歩外に出ると、背筋をピンと伸ばし、颯爽と歩く。
とても80を過ぎた老人には見えない。
何歳になったのかと母に問うと、
:西暦でいうと1300年生まれだから
と、言いかけて、間違いに気付いた母は、
:1300年生まれじゃ、オバケだわね。
と言いながら、ケラケラと笑った。
:数えで84歳だわ。年をとったねえ。
と言う母に、
誕生日が来ていないから満82歳だよと返した。
生まれた年を1歳とする数え年を日常的に使う母。
お正月には、よく私も、
:おめでとう、今年で〇歳だね。
と言われて育った。
散歩から戻って、母とケーキを食べた。
私の誕生日を覚えているかと問うと、
:〇月〇日でしょ。
母が言った日付は、姉の誕生日であった。