ゲームの思い出・番外編～イベントの話～

あれは、最初のポケットモンスターが発売されてしばらくたった頃だった。
任天堂のイベントで、
まぼろしのポケモン「ミュウ」が貰えるという話を聞き、
息子と二人で応募ハガキを書いて送った。
息子のハガキは外れたが、私のハガキが当選した。
落胆している息子に、一枚のハガキで２匹貰えると教えて安心させた。

当日、家族３人で会場近くの駅を出ると、
まだ会場ははるか彼方なのに、
「ミュウを貰いに来た方はこちらです。」
と、拡声器で叫んでいる人がいる。
会場の入り口から駅前まで行列が出来ていた。
事前に送られてきた整理券には、
細かく配布時間が指定されていたから、
まさかこんなことになるとは思ってもいなかったが、
仕方なく最後尾に並んだ。
炎天下、２時間近くかかって、ようやく「ミュウ」をもらった。
息子と私は、せっかく来たのだから他の所も見学したかったのだが、
夫が疲れたと言うので２時間かかってようやく入った会場を
数分で後にした。
休憩のために入ったファミリーレストランで、
息子と二人で貰ったばかりの「ミュウ」を育てて遊んだ。

レストランを出ると、急に元気になった夫が、

　：最寄の駅は人でごった返しているから
　　数キロ先のＪＲの駅まで歩こう

と言い出した。
息子は、歩けるくらいなら何故会場を出たのかと文句を言ったが、
結局、皆で、てくてくと歩いた。
歩きながら息子が、私に

　：今度来るときはパパは置いてこようよ。

と、ささやいた。

そして数年後、ニンテンドー・スペースワールド２０００の
「セレビィ」プレゼントの時は、本当にそうしたのだった。