おばあちゃんのnintendogs日記

ヤフーブログから引っ越してきました。

母の日記・少年と犬

だいぶ昔の話になる。
今から40年近く前の出来事だ。

1人の少年が、両親と離れて
親戚の家で暮らすことになった。
その家には子供がいなかったので、
少年は、暖かく迎えられた。

その家には1匹の犬がいた。
少年は、その犬と、すぐに仲良くなった。
やがて、野良犬だった2匹の犬も加わり、
少年と3匹の犬は、楽しい日々を過ごした。

しかし、別れは突然にやってきた。
少年は重い病にかかり、
遠く離れた町の病院に入院することになった。
同じ頃、その親戚夫婦も、事情で、
遠い街へ引っ越さねばならなくなった。

しばらくして、病院のベットに横たわる少年に、
3匹の犬がいなくなったことが伝えられた。
面倒見るものがいなくなった犬たちのうち、
1匹は、再び野良犬となって姿を消し、
もう1匹は、病にかかり死んだ。
残る1匹は、近所の人が捕まえて
食用にしたという話だった。
その地域では、当時まだ犬を食用にしていたことを
少年は知っていたので、悲しくはあったが、
仕方がないと、諦めるしかなかった。

それから40年がすぎ、当時少年だった男は、
nintendogsで遊んでいる妻に促されるままに、
妻のデータの中に1匹の子犬を飼った。

白のラブラドールレトリーバーの雄。
名前を「シロ」にしようとしたが、
妻に同じ名前の犬がいると聞き
「ロッシ」という名前にした。
今、日本中を旅している犬と同じ犬種らしいが、
男にはあずかり知らぬ事である。

妻の母親は、

 :そんなに飼ったらホテル代が随分掛かるわねえ。

と、いらぬ心配をしているらしい。