ゲームの思い出・スーパーマリオブラザース

今から２０年前。
ファミコンが、今のゲーム機のようにビデオ入力でなかった時代。
テレビの後ろのアンテナを繋ぐところに接続して、
２チャンネルでゲームを映して遊んでいた頃。
集合住宅に住み、共同アンテナを使っていた我が家では、
ゲームをするために２チャンネルに合わせると、
まだ、電源を入れてもいないのに、
白黒画面のスーパーマリオブラザースが、
映し出されることがあった。
白黒のマリオは、敵を踏みつけたり、コインを取ったりしながら、
どんどん進んでいく。
その動きは、まるでリプレイを見るかのように、
いつも、自分が操作している時と同じだった。

マリオの幽霊。

そんな表現がぴったりだった。

後に、ファミコンを買った上の階の住人が、
その真上に住む人から、

　：お宅のゲーム画面がカラーではっきり映るよ。

と、指摘されたと聞いた。
きっと、私が動かしていたマリオも、
どこかの家のテレビ画面に映し出されていたのだと思う。